A01-1: 温暖化時代の南極氷床-海洋相互作用の解明

研究代表者

研究概要

地球温暖化を超えて地球灼熱化時代に突⼊しつつある現在、猛烈な地球温暖化シグナルは中低緯度域だけでなく、南極域にも顕著に現れ始めている。中でも、南極氷床の融解・質量損失の加速は、海⾯上昇などを通じて⼈類社会に甚⼤な影響を及ぼすため、その実態把握および理解は科学的・社会的双⽅の観点から極めて重要な課題である。

本計画研究の⽬的は、南極氷床変動の鍵を握る氷床と海洋の相互作⽤メカニズムの解明である。まず、近年不安定性が懸念されている東南極のトッテン氷河域を中⼼に、現場・衛星観測と数値モデリングを有機的に組み合わせ、現状の東南極域の海洋による棚氷融解プロセスの実態把握を図る。次に、数値モデリングでは棚氷融解変動の過去数⼗年の再現と数⼗年先の近未来予測を試みる。観測・数値モデルの融合研究を通じて、温暖化時代における氷床の急激な質量変化を引き起こす海洋-海氷-氷床の相互作⽤の実態を明らかにし、南極氷床・南⼤洋の変動を起点とした⼤規模な海洋・気候変動への影響評価を⽬標とする。

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