研究代表者
研究概要
地球温暖化にともなって南極氷床の融解加速や力学的不安定が顕在化し、想定以上の海面上昇を引き起こす懸念がある一方、降雪増加が氷床縮小を一時的に抑制する可能性もある。各要素の応答の時間スケールは、氷床は数十~数万年、海洋は数日~数千年、大気は数時間~数年であり、空間スケールはキロメートルから全球にわたるため、種々の相互作用による南極の変動やその全球影響の全容解明には、現在の現象に加えて過去の理解が不可欠である。
本計画研究では、世界で最も質の高い南極ドームふじアイスコアを革新的手法で分析し、過去数十万年間の気候・氷床変動の強制力や応答(南極・南大洋の温度や積雪、氷床高度、エアロゾル関連物質、温室効果ガス、海氷指標、全球水循環指標など)を高時間分解能で復元する。中低緯度や北半球を含む世界の古環境データとの年代対比を通じ、南極とグローバル気候システムとの相互作用の理解に迫る。また、南極沿岸アイスコアによる近年の積雪・エアロゾル・微生物の解析から、直接観測とリンクする復元も行う。領域内の観測研究や過去の地質学的研究、モデリング研究と連携して新学理「グローバル南極学」の創成に貢献する。
メンバー
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堀内 一穂弘前大学
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平林 幹啓国立極地研究所
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井上 崚総合研究大学院大学
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鈴木 舞生総合研究大学院大学