代表メッセージ
南極氷床が今日急激に変化しつつあることに世界的な注目が集まっています。本領域は、南極氷床・海洋の過去から現在に至るダイナミックな変動を、グローバルな環境から与えられ、グローバル環境に与える影響と共に理解し、この理解のもとに近未来の南極とグローバル環境の予測につなげることを目指しています。人間活動の影響が地球を覆いつくして地球環境問題が切迫感を増し、南極がもはや眠れる獅子ではないという認識が高まる中、私たちの領域に寄せられる大きな関心と研究の進展への期待を感じています。
本領域の取り組みは、その前身となる新学術領域「熱ー水ー物質の巨大リザーバ:全球環境変動を駆動する南大洋・南極氷床」(2016-2021年度:代表 川村賢二・現国立極地研究所教授)を下敷きにしています。新学術領域の5年間で生み出された、従来の学問の垣根を超えた多分野間連携の枠組みが、その真価を発揮するのはまさにこれからです。ここで育った研究者たちが研究面において大きな進展をうみだす土台を支え、さらに国際的な舞台で活躍する若手研究者を育てて新しい時代をめざします。
本領域への皆さまのご支援をぜひよろしくお願いいたします。
研究組織
A01-1: 温暖化時代の南極氷床-海洋相互作用の解明
- 課題番号: 24H02340
- 代表: 平野 大輔(国立極地研究所)
A01-2: 南極・全球大気-海洋物質循環における相互作用の解明
- 課題番号: 24H02341
- 代表: 猪上 淳(国立極地研究所)
A01-3: 南極氷床質量変動の定量化と支配メカニズムの解明
- 課題番号: 24H02342
- 代表: 庭野 匡思(気象庁気象研究所)
A02: 自律型海中ロボットシステムで拓く氷下の多元観測
- 課題番号: 24H02343
- 代表: 巻 俊宏(東京大学 生産技術研究所)
A03-1: 過去の温暖期における南極氷床・海洋実像の解明
- 課題番号: 24H02344
- 代表: 関 宰(北海道大学 低温科学研究所)
A03-2: アイスコア解析による長期スケール南極・全球環境相互作用の解明
- 課題番号: 24H02345
- 代表: 川村 賢二(国立極地研究所)
A03-3: 南極システムダイナミクスの数値モデリング
- 課題番号: 24H02346
- 代表: 岡 顕(東京大学 大気海洋研究所)
X00: グローバル南極学:大変化する氷床と地球環境の連鎖をつなぐの研究総括
- 課題番号: 24H02339
- 代表: 青木 茂(北海道大学 低温科学研究所)